トレーニングをする理由

「何のためにトレーニングを行いますか?」という問い。
これは、私がよく参考にしている書籍、「ダンサーなら知っておきたい「トレーニング」のこと 」に書かれていた文章です。

この質間に関して、私がこれまで約10年トレーナー業をしてきた中でよくお聞きする回答としては以下のようなものがありました。 ・美容や健康のため ・スタイルアップ、シェイプアップしたいため ・お医者さんに痩せろと言われたため ・ストレス発散のため ・スポーツスキルアップのため それぞれに理由があり目指すものがある。その答えは十人十色です。 そこにきちんと目指すものがあったり先を見据えていることがあるのはとても素晴らしいことだと思います!

著書では、「トレーニングはからだの『余裕』をつくる」とありました。

どんな目的で行うにしても、トレーニングは貯金に似た性質があり、いずれにしても身体に「余裕」が必要なのです。それは、スポーツでの成績向上・健康改善や病気予防の場合にも同様、怪我の予防にも効果的です。
例えば、高い所から着地する際には、身体のさまざまな関節に大きな負担がかかります。こうした衝撃を殺衝する役割を担うのは筋肉です。筋肉が力を発揮することによって、関節にかかる負担を軽渡することができます。繰り返し動作を行うとあれば、さらに筋力や筋肉の回復力が必須となってきます。
筋力不足のまま、または疲労回復がなされていない状態で同じ動作を繰り返すと、骨や関節などの組織に力学的衝撃や負荷がかかります。また、長い期間同じところにストレスが加われば、疲労骨折、ひどいときには完全骨折を引き起こします。

バレエに置き換えて考えてみても、ジャンプやターンなどの動作では体重の2~3倍の衝撃が加わるものがたくさん見られますが、これらの疲労蓄積による怪我を予防するために必要なのは、筋力(筋肉)も1つの要素だと捉えられます。

更に、トレーニングは怪我予防だけでなく、パフォーマンスアップにも貢献します。

筋力が高いダンサーが優位なこととは、「高いジャンプが跳べること」「力強い動作を行えること(素早いバットマンやアームスの動きなど)」「長い時間踊り続けられる持久力・筋持久力が備わってくること」などです。テンポの速い振付のダンスの場合、筋力は力強く素早く踊ることに貢献でき、持久力が高いダンサーは長時間の踊りの後半でも技術レベルが落ちません。
特に踊る機会が多いダンサーにとって、持久力はとても重要な要素です。踊る時間の長さだけでなく、長時間のレッスンやリハーサルや毎日あるいは1日2回以上の本番出演などに耐えられる持久力があることはとても重要です。持久力とともに回復能力も不足してしまうと、怪我だけでなく体調を崩したり集中力が低下してしまうなど負の要素が出現してきてしまいます。そうすると練習の質が落ちるほか、練習自体に参加できないなどということになってしまいます…。そうなる前に予防・対策するためにもトレーニングをすることは重要なのです!

このように、怪我予防やパフォーマンス向上、持久力の向上といった効果が期待できるトレーニングは、身体が資本であるダンサーにとって非常に必要なものです。
是非、踊ることのルーティーンに加えてトレーニングも組み込み、自分の伸び代や可能性をより広げられるようにしていきましょう!!

ダンサーなら知っておきたい「トレーニング」のこと 参照
(著:水村真由美/大修館書店)

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